腹圧性尿失禁による尿漏れは皮膚トラブルにも!骨盤底筋体操で予防・改善

40代以上の女性の40%以上が尿漏れの経験があると言われています。
咳をする、くしゃみをする、笑う、走る、テニスやゴルフなどのスポーツをする、重い物を持ち上げる、坂道や階段を昇り降りする、こうした強い腹圧がかかるような動作をした時に尿が漏れてしまうことがあります。
その場合、「腹圧性尿失禁(ふくあつせいにょうしっきん)」の可能性があります。

そこで、今回「おすすめのエイジングケア化粧品ナールスの公式サイト」の中の記事「腹圧性尿失禁による尿漏れは皮膚トラブルの原因」を参考にしてご紹介します。

腹圧性尿失禁とは?

腹圧性尿失禁(ふくあつせいにょうしっきん)は、尿失禁の一形態で、主に腹圧が増加する状況で尿が漏れる状態を指します。この症状は、腹圧が急激に高まるときに発生しやすく、咳やくしゃみ、笑うこと、運動、重い物を持つことなどが原因で起こります。女性に多く見られるこの症状は、妊娠・出産・加齢・肥満などが影響し、骨盤底筋群の弱化が大きな要因とされています。
腹圧性尿失禁は、膀胱の筋肉と尿道の周囲にある支持組織が損なわれ、尿道の締まりが不十分になることで発生します。特に、骨盤底筋群が弱まると、腹圧の変化に対して尿道が適切に閉じられなくなり、尿漏れが起こります。これは、特に加齢や出産後に顕著で、骨盤底筋のサポートが不足することで、尿道の圧力調節機能が低下するためです。

尿漏れは皮膚トラブルの原因にも

尿漏れは、単なる不快な症状にとどまらず、皮膚トラブルの原因にもなります。尿は強い酸性を持ち、長時間皮膚に触れると皮膚に刺激を与え、炎症やかぶれを引き起こすことがあります。これにより、皮膚が赤くなったり、かゆみを伴ったりすることがあり、さらに悪化すると皮膚が裂けたり、感染症を引き起こすこともあります。
特に高齢者や長時間尿漏れを経験している人は、皮膚の保護機能が低下しているため、尿漏れによる皮膚トラブルが深刻化しやすいです。皮膚が湿った状態が続くと、さらに皮膚が敏感になり、感染症のリスクが高まります。したがって、尿漏れの対策だけでなく、皮膚ケアも重要な管理の一部となります。

骨盤底筋体操は尿漏れの有効な予防・治療法

骨盤底筋体操(ケーゲル体操)は、腹圧性尿失禁の予防および治療に非常に有効な方法です。この体操は、骨盤底筋群を強化することで、尿道や膀胱を支える筋肉を鍛え、尿漏れを防ぐ効果があります。特に、骨盤底筋は尿道の締まりを維持するために重要な役割を果たしています。
骨盤底筋体操の基本的な方法
1. 筋肉の特定: 骨盤底筋を特定するために、尿を止めるときに使う筋肉を感じることが有効です。この筋肉を意識することが、体操を行う第一歩です。
2. 収縮: 骨盤底筋を引き締め、数秒間その状態を保ちます。この収縮は、尿を止める時の感覚と似ています。
3. リラックス: 筋肉を収縮させた後、リラックスして、元の状態に戻ります。これを繰り返します。
4. セットと回数: 1セット10〜15回程度、1日に3セット行うのが理想です。これを毎日続けることで効果が期待できます。
骨盤底筋体操の効果
この体操を継続的に行うことで、以下のような効果が期待できます。
• 筋力の増強: 骨盤底筋が強化されることで、尿道の支えが強くなり、尿漏れの予防や改善が期待できます。
• 尿漏れの軽減: 筋力の向上により、尿道の閉鎖力が高まり、腹圧が高まる状況でも尿漏れが減少します。
• 生活の質の向上: 尿漏れの軽減により、日常生活や社会活動がしやすくなり、心理的なストレスも軽減されます。

腹圧性尿失禁の他の治療法

腹圧性尿失禁の治療法には、骨盤底筋体操(ケーゲル体操)以外にも様々なアプローチがあります。それぞれの治療法は、症状の重さや患者の状況に応じて選択されることが多いです。
1. 行動療法: 行動療法には、膀胱訓練や排尿トレーニングが含まれます。膀胱訓練では、排尿の間隔を徐々に延ばし、膀胱の容量を増やすことを目指します。また、尿意を感じたときにすぐにトイレに行くのではなく、排尿のタイミングを計画的に管理することで尿失禁の回数を減少させます。
2. 薬物療法: 薬物療法では、尿道や膀胱の筋肉の緊張を調整する薬が用いられることがあります。例えば、エストロゲンを含む局所治療薬が女性に処方されることがあります。これにより、膀胱や尿道の粘膜が改善されることで、尿失禁の症状が軽減することがあります。
3. 外科的治療: 手術は、薬物療法や行動療法が効果を示さない場合に検討されます。最も一般的な手術法は、膀胱の支えを強化するための「スリング手術」や「テープ手術」です。これらの手術は、尿道の周囲に支持を提供し、腹圧がかかった際の尿漏れを防ぎます。
4. 医療機器の使用: 医療機器としては、尿道を支えるための「膀胱テープ」や「尿道支え具」があります。これらは一時的な解決策として用いることができ、特に手術が適さない場合や手術を避けたい場合に利用されます。

尿漏れによるデリケートゾーンのかゆみの予防や治療

尿漏れによってデリケートゾーンがかゆくなることは、皮膚トラブルの一つであり、適切な対策が必要です。かゆみは尿の酸性や粘性によって引き起こされることが多く、以下の対策が有効です。
1. 適切な衛生管理: 尿漏れがある場合は、デリケートゾーンを清潔に保つことが重要です。優しい洗浄剤を使用し、こまめに洗うことで、尿による皮膚の刺激を軽減できます。ただし、過剰な洗浄は逆に皮膚を乾燥させ、かゆみを悪化させる可能性があるため注意が必要です。
2. 通気性の良い下着の使用: 通気性が良く、湿気を吸収しやすい下着(コットン製など)を選ぶことが推奨されます。湿気がこもりにくい素材は、皮膚を乾燥させ、かゆみや炎症のリスクを減少させます。
3. 保湿とスキンケア: 皮膚の保湿は、尿漏れによる乾燥やかゆみの予防に役立ちます。皮膚に優しい保湿クリームや軟膏を使用し、尿漏れの後に肌を保護することが重要です。また、デリケートゾーン用のスキンケア製品を使用することで、より良い保護が可能です。
4. 薬剤の使用: かゆみがひどい場合や炎症が見られる場合は、皮膚科医による診断を受け、適切な治療薬(抗炎症薬や抗真菌薬など)を処方してもらうことが必要です。自己判断で薬を使用するのは避け、専門家のアドバイスを受けることが大切です。

6. まとめ

腹圧性尿失禁は、生活の質に大きな影響を与える症状であり、さまざまな治療法があります。骨盤底筋体操は非常に有効な予防・治療法ですが、それ以外にも行動療法、薬物療法、外科的治療などが選択肢として存在します。症状が軽度であれば、まずは行動療法や生活習慣の改善から始めることが推奨されます。
また、尿漏れが原因でデリケートゾーンにかゆみや皮膚トラブルが生じることもあります。この場合、適切な衛生管理や保湿、通気性の良い下着の使用が効果的です。かゆみが続く場合や皮膚に異常を感じた場合は、皮膚科医の診察を受けることが重要です。
腹圧性尿失禁に悩む方は、これらの治療法や対策を組み合わせて、自分に合った方法を見つけることが大切です。専門医と相談しながら、適切なアプローチを採ることで、症状の改善と生活の質の向上が期待できます。